KEY OF LIFE

お茶好き・さわが日々心に留まったことを綴ります

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『夏光』 乾ルカ著

『夏光』 乾ルカ著 2007・9・15 文藝春秋刊

乾 夏光


乾ルカさんの、1冊目のハードカヴァーです。
なのに、ここまで引き込まれてしまうとは。並々ならぬ筆力を感じます。

オール讀物新人賞受賞
”恐怖の女王”降臨!

哲彦が疎開先の漁村で出会った少年・喬史の顔の左半分を覆う真っ黒な痣。
村人たちはそれをスナメリの祟りと忌み嫌うが、痣に埋もれた喬史の左目には
もっと恐ろしい秘密があった-----

表題作など、グロテスクな美意識が異彩を放つ脅威のデビュー作。


帯にはこう書かれています。

二部構成六篇の短編が、第一部では戦前を、第二部では現代をその背景とし、
また、それぞれ顔のパーツをモチーフに展開されています。
読んでいるうちに、自分の顔のその部分が異質なものになっていくような、そうでなくても、
妙に意識しなくてはいけないような気持ちにさせられます。

表題作「夏光」は、第一部に属します。
疎開先での疎外感を、一通きりの母の手紙を唯一の拠り所にして耐える哲彦に与えられていく試練は、多分事実そんなことを経験した子供も多かっただろうと思うと余計に胸が締め付けられるような悲しさに満ちるのですが、それ以上に、忌避されつつどこか神聖を見るように扱われる喬史の過酷な日々に思い至る時、人の心の身勝手さに怒りと後ろめたさを覚えます。
最初に出てくる地形で、なんとなく結末が予想されてしまったのですが、それでも、そこに至るまでのこの子供たちの必然というか、運命の厳しさ哀しさは、涙なくしては読めませんでした。
でも。
たぶん、この子供たちは、最期は幸せだったのでしょう。そう思いたい。..

第一部三話目の「百焔(もものほむら)」は、本当に哀しいお話でした。
私は自分が二人きょうだいの上なので、この姉の心理は分かる部分が多かった。。。
にもかかわらず、どこまでもそんな姉を慕う妹の気持ち。そんなものでしょうか。。。
自分が子供の頃は、そんな思いに至ることもできなかった。たぶん、自分に関しては今でも。
しかし、わが子を見ていると、下の子ってそうなのかもしれない。。。と思うこともありました。
心が綺麗というのはどういうことなのか。。。
わが身に問うて恥ずかしいことです。

第二部の一話目「は」は、荒唐無稽ながら、純粋に恐怖。
かれらはその先どうなるのか。。。
多分、、、
考えたくありません。
実に食欲は恐ろしき哉。orz

二話目「Out Of This World」には、また少年が二人登場します。
どんな展開になっていくのかさっぱり分からずに読み進んだのですが。。。
これも最後は涙でした。
親は選べない。けれど、子供はきっと、どんな親でも好きなんです。
だから、こんな結末は迎えさせてはならない。。。
偉そうなことを考えましたが、自分は違うと言い切れないような自信のなさが今の私にはあって、ちょっと痛いお話でした。

三話目は、とにかくすっきりと。。。こころが暖かくなるようなお話でした。
他のお話とモチーフ自体は変わらないけれど、どこか希望がある。
こんな凄惨なお話に、どこに希望が?とも思うのですが、それでも希望がある。
それはきっと、あの少女の迷いのない強さだったのでしょう。

あ。第一部、二話目についての感想を書いていませんね。
これは不思議なお話には違いありません。
でも、ちょっと現実離れしすぎていて、私にはどこか入り込めないものがありました。
「は」も現実離れしてるっていえばそうなのですが。。。
好みの問題かなー;;;
ホラー・グロ・スプラッタ系は、映画も本もダメな私ですが、この作品はそういう描写よりも、
心理を追っていくことの方に私の視点が合ってたので、そんなに引かずに読みきることができましたw


今回、この本は図書館で予約して借りたのですが、きっかけは週刊ブックレビューという、NHKBS2で日曜朝8時~(再放送翌日午前0時~)に放映されている番組。
ゲストの皆さんが力強く推薦なさったのを観たためでした。
乾ルカさんのペンネームが、犬好きの彼女がペンネームを考える際、
「イヌ イルカ?」というしゃれっ気にも惹かれて決めたとどこかで読んだのも興味を引きました。
(あ、図書館から届くのを待っている間の日々で、ちょっと色々調べたのです)

この作品のレビューもちょこっと読みましたが、おおかた好評のようです。
中には酷評されているのも読みましたが、感情を大きく捉える彼女の文章は読むのに値するとは思うのですが。。。
まだ一冊しか世に出ていないということで。。。今後のご活躍を期待している私ですw
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[ 2008/02/22 09:40 ] 本棚 | TB(-) | CM(2)
乾ルカさん。。その字は見たことあったけど、
名字をなんて読むのかも知らなかった~。
さわさんの感想見るととても惹かれる本だわ♪

悲しいお話は、私本当に涙ボロボロになるし、
きょうだいの物語だと、私もさわさんのように、
自分を当てはめて、入ってしまうので、
きっと、この本を読み終えたら、
私はボロボロになっていそうだわ~w

第二部の二話目も・・・深そうだよね・・・
興味ある~~!!

一番初めに、読みたいのは
第二部の三話目!心が暖かくなるなんて、グー☆
・・・あ・・・でも凄惨なの?コ・・・コワイ・・・

これ、読んでみるねー♪さわさん ありがとー!

[ 2008/02/22 13:18 ] [ 編集 ]
◆みかねえさん
こんばんはー!
って、今、いったい何時なんだ!?
今日はエジソンの母を観る予定だったのに、何故か寝てしまいました;;;
お風呂にも入らずに、、、
今週はいろいろあったから、なんか疲れちゃってて;;;>と、言い訳してみる;;;

この本ねぇ。。。
ちょっとレビューの書き方を間違ったかな?
全編不思議話ではあるのですが、もっと言うと、法的に裁けるかどうかは別にして、犯罪か暴力にかかわるお話なんです。
特に最後のホッとするお話。。。というのは明らかに法的に裁かれるべき話なんですよね。
臓器売買と、その「道具」に使われる子供。
だから、こんな風に書いて、みかねえさんの期待を裏切ったら申し訳ないんです。
ただ、私には「道具」になるはずのひとりの少女が、泥の中に咲いた蓮の花のごとくすっきりとした美しさに見えたのです。それは、尊厳に関わる問題だからかもしれません。

私の感想からいうと、できればこの順番どおりに読んだほうがいいかも。
どれもちょっとずつどろっとしたものが心に降りてくるんだけど、それがこの最後の話で少しだけ救われるものがあるような気がしたから。
そうでないと、この作家さんを嫌いになるかもしれないー。>ちょっと大げさかな?

ということで、この本をオススメするのは一緒なんだけど、「きれいなお話」ではないかもしれないことだけは覚悟しておいてねー*^^
[ 2008/02/23 01:41 ] [ 編集 ]
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